手動車椅子の方
Q
- 手動の車椅子のひとは感染リスクが高いのでしょうか?
- 日常的に車いす駆動、杖もしくは手すり把持など、物に触れる状況が多いことから、周辺設備等への消毒には万全を期する必要があると思いますが、どのようなことに気を付ければよいでしょうか? (QA02-08)
A
手動車椅子の車輪(ハンドリム)や様々な支援機器の表面にウイルスが付着している可能性があります。手の清潔、車椅子の清潔、社会的距離を取ることが推奨されます。
手の清潔
手洗いを常に心がけ、顔に直接触れないようにすることが大切です。あらゆる活動から帰宅した場合、CDCガイドラインに準拠し、石鹸で最低20秒間手を洗ってください。手動車椅子を利用して肌荒れがある場合、手洗いブラシ(爪ブラシ)を使うことも検討してください。
車椅子の清潔
車椅子の表面を掃除してください。私たちが触れるすべての固定面にウイルスが潜んでいる可能性があります。
- ハンドリムとタイヤは、手を清潔にした後、手拭きタオルや抗菌ワイプを用意し、家の前で6m駆動するとハンドリムを3回拭くことができます。この方法の習得が難しい場合、誰かにゆっくりと押してもらうことで拭きやすくなります。タイヤも同様の手法で拭くことができます。
- ブレーキレバー、シートクッションの前方フレーム、ひじ掛け、手押しハンドル、着脱式フット・レッグサポートなど、定期的に触れる表面を拭きます。
- 電動車椅子の場合、ジョイスティックやコントローラー、その他の常に触れている部分を消毒します。多くのプラスチックは漂白剤を含むクリーナーを使っても問題ありません。
- 車椅子の乗車前に手指消毒剤やウェットティッシュで必ず手洗いをしているのであれば、他の誰かにタイヤやハンドリムの消毒をお願いすることは有用です。
なお、消毒液については、QA-01-01「アルコール消毒液の予防効果」、QA01-05「家庭用の塩素系漂白剤を利用した消毒」もご覧ください。
社会的距離
車椅子ユーザーは、ほとんどの立っている人よりも低い位置で座っているため、自分たちよりも高い位置にいる人と会話していると、より唾液にさらされる可能性が高くなります。多くの医療専門家は、このリスクを避けるため、周囲の人との距離を2m以上にすることを推奨しています。マスクやフェイスシールドを使い、飛沫を避けることも検討してください。
参考文献
参考(1):日本リハビリテーション工学協会「注意勧告:車椅子・支援機器ユーザーのみなさまへCOVID-19の予防」
https://www.resja.or.jp/data/precautions.pdf
参考(2):Beneficial Desinns, Inc.「ATTENTION:Wheelchair and Assistive Technology Users
PRECAUTIONS for COVID-19」
http://www.beneficialdesigns.com/
参考(3):北米リハビリーテーション工学協会(RESNA)「COVID-19 Resources」
https://www.resna.org/Resources/COVID-19-Resources